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Taishi Nobukuni / Designer


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<< September 2010 >>


craftman

このブログで何人目になるのでしょう?人を送るのは。
その都度もう触れるのは辞めようと思うのですが。
でも影響を受けた人にはやはり賛辞を送らざるをえません。

クリス=ネメス
友人のバッファローのメンバーは彼をそう呼びます。
逝かれました。

最近クラフトという言葉が本当に響きます。
そんなDIY的な美意識に早い時期に触れたのは、彼の服、彼のお店、彼の佇まいだったことを今さらながら思いだします。

手作りとはステッチがラフとか温かみがあるとかそういうことじゃないと思うのです。
彫刻的に作られたものはフォルム自体が語るのだと想います。

特に肘や膝の角度の美しさを教えてくれたのは彼の服だと想います。

彼が80年代にリチャード=トーイ(彼のニットは独特でした!)とジュディー=ブレーム作ったハウスオブビューティーアンドカルチャーはネオアーツアンドクラフト運動でありある種のルネッサンスだったんだと想います。

ファッション業界からスタンスをとりいつも神宮前の裏道に彼らしくあり続けたのだから死してなお彼らしくあり続けるのでしょう。

今後自分のあり方で敬意を表明できたらと想います。

ありがとうございます。

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| - | 23:42 | - | - |
let's get lost in 和敬塾

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今日はハニカムの撮影。

WILD LIFE TAYLOR の自作の服をセルフスタイリング。写真は巨匠熊谷氏。

とてもクオリティーの高いシューティングができました。来月あたりのハニカムをお楽しみに。


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場所は和敬塾こと旧細川邸。

説明にもあるようにウイリアム=モリスの壁紙に法隆寺にインスパイアされた造作という不思議な空間は日本的和と英国的、敬がミックスされたものですが、以外にとけあってフュージョンして良い感じ。
西洋的建築なのに陰影礼賛的光に満ちた不思議空間。

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そんな光をレッツゲットロストのブルース=ウェーバーのように上手く料理した熊谷氏はさすが巨匠です。
本当に上がりが楽しみ。

僕も子供のように楽しんでスタイリングしました。

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昔の教育には志高い精神を育む塾のような心がありそれは英国的寄宿舎学校にも通ずる何かなのだと思います。

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プレッピー的佇まいやテイラードの服の美しさはそんな礼節の体現。

いまだに知ってるようで知らない英国性についてなんだか考えさせられます。

そして日英に通じる美学は一言でいうと”慎ましやかさ”。

この陰影深い空間にも感じるそんな気配。

僕の名前大志も英国人クラーク博士によるambitionの邦訳です。

そん名前を指標に目標高い人間でいたいと思って生きてきたけど、最近クラーク博士が意味した本当のことを知りました。

”大志を抱け”はこう続きます。

名声や富といった儚いものに拘らずあるべき人間の徳性をもつ人になるという大志を抱けと。

最近身近に接する職人さんにそんな”慎ましやかさ”を感じ目標に想います。

なんでもないちっぽけなとこに本当の素晴らしさってあるもんですね。




















| - | 23:16 | - | - |
musicist

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最近たて続けに古い友達と久々に会いました。
INO HIDEFUMI君とCALM。
2人ともブレイクする遥か前から知ってるので今の立ち位置や評価が嬉しいです。
でも2人ともそんな成功とか関係なくてただ好きなこと貫いただけだし、だからこそ世間的には成功したけどだけど本人達は好きなこと続けてるだけで…

2人には芯みたいなものを感じます。

ほんと僕にはない素晴らしい資質に頭が下がるさばかりです。

2人とも新譜でるみたいだから是非買ってみて下さい。

詳しいリンクをおってアップします。










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Openers


久しぶりに更新。
先日のテイラリングの出自のディテールです。
| - | 17:06 | - | - |
tweed

昨日は青山通りに波がたつほどの大雨でした。

一雨去ると涼しくて秋の匂い。

そろそろ秋物着なきゃ。

ってことでツイード。

去年あたりからの流れ
ツイード祭りは健在ですが、より細分化され個性的な折柄などがリリースされてるように感じます。


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3ピースでムーブメントに火をつけたエンジニアガーメンツ。
走りだけにより先に疾走。新しいようでいながら70年代なんかのアーカイブにあるような個性的な織り柄はさすがの一言。


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フランク=リーダー。
セントマーチン校の後輩。
ベルリンのクロイツベルグ(橋本譲二のベルリンの舞台ってわかるかな?)にアトリエを訪れたことあります。
広大なチョコレート工場跡の服のテイストにも通ずるラスティックな感覚に納得。本人もナイスガイ。
ひげ面は後輩というより先輩だけど。


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手前味噌だけどTAISHI NOBUKUNI
ちょっとひねってニットです。


やっぱみんな温かみを求めてる。

気候暑くても心寒い時代だから。












| - | 11:14 | - | - |
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sinclairom7[1].jpg

前期にそぐわない者が環境が変わったときに前期には不必要であった要素が変化にマッチして
覇者となるという意の進化論を耳にしたことがあります。

ファッションの歴史はアンチテーゼが主流になるということです。

サンローランのリブゴーシュとは左岸(前衛、既製服、反体制)の右岸(保守、既得権益、体制、注文服)
への反抗的振る舞いです。

男物を定義したサヴィルロウのビスポークにおいてもアンソニー=シンクレアという男の名が語られますが、
彼の店はその実オフサ”ロウ、すなわちサヴルロウから外れていました。

そんな彼が仕立てたジェイムスボンドの衣装のスタイルはそのような外れたとこから現れて現在のスタンダード
となりましたが、外れてたからこそ次世代の主流となりえたのでしょう。

これから次世代の主流が極東の坂の下あたりから生まれたら、、、、、
僕が最初のお店に”I don't give a shit"と名づけて主流への反旗を謳ったのはひそかにそんな夢が
あったのかもしれません。
一種の誇大妄想ですね。ははははは。
でも半分今でも本気でいるつもりです。

アンソニー=シンクレアのスタイルを"コンヂュイットスタイル"というそうですが現在のコンヂュイットストリート
はヴィヴィアンのブティックなどが並ぶデザイナーストリートの趣ですが、イタリアのベルルッティ等はそんな
歴史に惹かれマッチするように出店したのかもしれません。

それにしてもMR.シンクレアのように死してなお評価されるテイラーとはゴッホのような素晴らしき画家のようです。

余談ですが昔、武先生とコンヂュイットストリートにある当時もっとも話題だったスノッヴなレストランに4人でいったんですがお勘定が90万円くらいだったことを思い出します。

写真はショーン=コネリーのスーツの仮縫い中のMR.シンクレア。

ちなみに僕の師匠は若かりしコネリーのスーツの仮縫いにロンドンに呼ばれるも、忙しくて断ったという逸話の持ち主。本人はいまだに悔やんでるようです。当時髪が薄くなりだした彼がここまでのいい男になるなんて思わなかったそうです。








| - | 23:42 | - | - |
dicipline

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僕が最近さらに仕立てについて深く学ぶ直したくなっていた矢先、都内で知るひとぞ知る伝説のテイラーに巡りあいました。
というか僕の鼻がなっていきなり門を叩き弟子入り志願。

僕には複数の既製服のブランドがありますが、そのような仕事の余暇や休憩や週末の時間に足しげくそのアトリエに通い、職人さんの全ての技と先生のフィッティングの場に立ち会うことを許されました。

20代にロンドンのテイラーの工場でせっせとミシンを踏んだ頃のように、初心にかえって何かを学ぼうとするのってとてもすがすがしい気持ちです。
職人さんもそんな僕の熱意をかってくれて一番大事なミソの部分を丁寧に教えてくれます。

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袖付けの秘儀を見せてくれる職人さん。

英国帰りのテイラーさんや旧式の英国式を信望する老舗テイラーさんなどこの国にも学べる方や場所は多々あるようですが、僕は縁あって出会った師が、70年代以来大御所芸能人や野球選手(ONの2代巨匠のスーツは師の手によります)を相手にしながら、各国のスーツを解体、分析してきて研究を重ねた秘密のメソッドに真髄を見出しました。
大切な宝は身近にあるものですね。

これから何年かは遊びやお付き合いの時間はなるだけ割愛して師や職人さん達の技を盗むべく、本業のデザイン以外の時間は縫製場にて過ごそうと思っています。
いつか師のスタイルを受け継いだ限りなく軽いスーツを皆さんに僕の手であつらえる日がくるでしょう。

そんな気持ちで職人さん達に接するうちに思うのはクラフトという言葉の大切さです。

ラインにのってある人はポケットばかり縫うといった工場生産によるものはプロダクトで、職人が1から最後までこさえるものはクラフトなのではないでしょうか?
あらゆる産業においてそのような工芸がこれからも存続して欲しいものです。

僕のロンドンの師のお店はオーナーがもともと本の装丁や修理をする職人のお店であったそうです。
そしてそのオーナーが物件を貸すのには1つだけ絶対的な条件があり借り手がクラフトマンであることだったそうです。

なんか良い話ですね。

でもこの話から僕は、テイラーはクラフトマンでありわれわれはプロダクトではなくクラフトを身にまとえるのだと気づかされたとても印象深いエピソードです。

しかし僕に様々なことを教えてくれる職人さん達。
彼らは皆60才を超えています。
その下の世代には丸縫い(ジャケット一着丸まる完成すること)できる人はもう少ないのではないでしょうか?
デザイナーとして良いクオリティーのスーツとかの縫製を頼める工場は国内にはいずれなくなるのではという危機感もあります。
一日一日を大事に彼らの技を吸収し、僕が爺さんになるまでにはまた下の世代に伝えたいものです。





















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